なぜ大量の農薬が必要なのか?

なぜ大量の農薬が必要なのか?
なぜ大量の農薬が必要なのか?

なぜ、それほど大量の農薬をまかなければならないのか。

それほど土にも野菜にも、虫と病気が蔓延した状態になっているからです。毎年クリスマスの時期になると、ケーキ用のイチゴが売り出されます。あのイチゴにはどれだけの農薬が使われているのでしょうか。ご存知ですか?

イチゴは栽培期間が長く、菌や虫に弱いので、収穫期間中に平均60回近くも農薬を散布します。※ただし、農薬の使用回数というのは、1種類ごとにカウントします。2種類の農薬を一度にまいたときは1回ではなく、2回になるということです。農薬を複数のものを一度にまくことが多いので、実際にまいた回数とは一致しない場合があります。

そもそもイチゴの旬は春先です。それを無理やり冬に出荷できるように作るわけですから、そこでさらに多くの農薬を必要とします。しかも、イチゴは皮を剥いたり、茹でたりせずにそのまま食べるものです。以前、イチゴ農家の方が「イチゴの表面を剥いて食べる」という記事を見かけたことがあります。農薬の害を一番知っているのは他ならない生産者なのです。ビニールハウスでイチゴに農薬を散布するとき、生産者は防除用の作業服、防毒マスク、保護メガネ、ゴム手袋、ゴム長靴など、まさに完全防備で入ります。ビニールハウスの中は農薬の逃げ場がありませんから、ここまでの重装備をしないと自分たちの健康に害を及ぼすのです。

イチゴだけではなくキュウリも事情は同じ

イチゴだけではなくキュウリも事情は同じ
イチゴだけではなくキュウリも事情は同じ

キュウリも事情は同じです。

キュウリも生で食べるものであり、しかも皮を剥く人はあまりいません。しかし、その裏側では農薬が大量に使われています。

露地物の場合、収穫前の数日間を除き、毎日消毒のために農薬を使う生産者もいるといわれています。キュウリの栽培日数は種まきから収穫までの日数は一般的に2ヶ月強ですが、その間、50〜60回の農薬をまきます。

促成栽培とはビニールハウスや温室などで、温度や日照量を調整して早く育てる栽培方法です。キュウリが50回、ピーマンは62回、ナスにいたっては74回という、とんでもない回数の農薬が使われています。これが実態なのです。

お茶の農薬も深刻です。
お茶は通常、殺虫剤や殺菌剤などの農薬を平均20回以上も使って作ります。しかし、お茶の場合、普通に農薬を散布しても雨が降ると流れてしまいます。そこでどうするのかというと、「粘着剤」や「貼着剤」と呼ばれる薬剤を農薬に混ぜて、農薬が流れないように葉に貼り付けるのです。

お茶は収穫したあと乾燥・選別して出荷されますが、この工程で農薬を洗い流す作業はありません。しかも、お茶を入れるときに茶葉を洗う人はいません。一番茶など、農薬が一番多く溶け込んでいることになります。本当に大丈夫なので心配になります。玉露のように高いお茶もありますが、高いからといって良いお茶だとは限りません。

肥料と農薬の悪循環

肥料と農薬の悪循環
肥料と農薬の悪循環

キュウリとイチゴは土の表面に出ているものですが、では土の中に埋まっている作物であれば、散布する農薬の被害を受けないのでしょうか。残念ながらそんなことはありません。

ジャガイモで考えてみましょう。まずは種いもの消毒から始まります。

種いもを畑に植えるとき、次は「除草剤」をまいて雑草を枯らします。その後、「殺虫剤」や「殺菌剤」を10回前後散布します。収穫時期になると、じゃがいもの葉を枯らして機械で収穫しやすくするために、「枯凋剤(こちょうざい)」という薬品を使います。

土中の野菜も使われる農薬の回数は、半端なものではありません。タマネギを集荷して箱詰めする人は必ず手袋をして作業をするそうです。素手で行うと、手が荒れてボロボロになってしまうからです。皮に付いている農薬のためです。大根も土中で育ちますが、これにも農薬が使われます。

スーパーで見かける大根は、だいたいが色が真っ白できれいです。実はあの白い色は農薬のなせるものなのです。というよりも農薬を使わなければ、あのようなきれいな肌目にはなりません。肥料に頼り切った大根は、必ずといっていいほど「線虫」の被害に遭っています。線虫ははって皮を食べますから、あとが残ります。これを退治するために行われるのが「土壌消毒」なのです。

土壌消毒は「土壌消毒剤」を使いますが、これも農薬の一種で、種子をまく前に土に打ち込みます。すると、土中の虫や微生物は「皆殺し」状態となります。虫が全滅するぐらいですから猛毒なのです。農家ではこれを打ったあとは子供が絶対に畑に近づかないようにするのが常識とされています。注意して地方の新聞をみていると、「登校中の子供が倒れた」という記事を見かけることがあります。土壌消毒剤の中毒です。

土壌消毒剤について、自然栽培に取り組むある農家さんは「この薬剤を使うときはマスクをしていても涙が出るほど苦しく、吐き気を催しながら作業をしていた」と語ります。この土壌消毒剤こそ、日本の農業をダメにした元凶であると思いますが、では、土壌消毒剤を使わずに作られた線虫のはった大根、表面の削られたサツマイモを誰が買うのかと考えると、誰も買わないという現実があるのです。

GreenwashGold 農薬の歴史