オゾンホールを初めて発見したのは日本人

南極でオゾンホール新発見

皆さんは、オゾンホールを初めて発見したのが日本人だとご存知でしたか?

1982年、南極の昭和基地で観測をしていた日本人観測隊員が南極上空のオゾンが減少しているのを見つけたことがきっかけでした。もちろん、このときは「オゾンホール」という言葉さえありませんでした。厳しい環境下にありながらも、観測隊員の正確な観測結果が決めてとなりました。

もし地球を取り巻く成層圏のオゾン濃度が現在より高かったり、低かったりした状態であったとしたら、地球はどうなっていたでしょうか?

オゾン濃度の低いオゾンホールができただけで、大気環境に及ぼす影響がいかに大きいのかは多くの人が知るところです。もちろん、そのような環境下では、私もあなたも生存していなかっただろうし、私たち以外のどんな生物も生き残れなかったことはいうまでもありません。

地球を取り巻いている大気圏の構成

地球の表面は1気圧(1,013ヘクトパスカル)の空気で覆われています。空気は厳密には体積比で窒素分子78.1%、酸素分子20.9%、その他わずかなアルゴン、炭酸ガス、一酸化炭素、ネオン、ヘリウムなどの混合ガスから成っています。窒素分子と酸素分子の分子量はあまり変わらないので、容積比であれ体積比であれ、大雑把に空気は窒素が全体の3/4、酸素が1/4の割合で混合された気体であると考えてよいでしょう。

空気の密度は地表から標高が上がるにつれ低下し、気圧も下がります。私たちの住んでいる地表から11キロメートルまでは対流圏と呼ばれます。この対流圏では、太陽から地表に降り注ぐ光によって地面が熱せられ、地面からの輻射熱により空気が暖められます。対流圏では、暖められた空気が上昇することによって、空気に対流が起こり、対流圏の上層域の温度が上昇することになります。

対流圏の界面から上50キロメートルまでを成層圏と呼びます。この層は温度の低い層の上に高温層が重なった構造になっています。ここは比較的安定した層状の構造を形成することから、「成層圏」の名称が生まれたともいわれています。

成層圏の界面を越えた、ほぼ50〜80キロメートルの範囲に中間圏があり、さらにその上に熱圏が位置しています。地表を取り巻いている空気の75%が対流圏にあり、残りの25%が成層圏に存在しています。ですから、大気に及ぼす種々の環境効果は、主として空気の大部分が存在する、対流圏と成層圏の2つの範囲が支配していると考えても良いでしょう。地球の直径は12,800キロメートル、通信衛星までの距離が36,000キロメートル程度であることからすれば、地面から50キロメートルという距離が、いかに地球上のほんの表皮層に限られた範囲を問題にしているかが分かります。

オゾンホールができたら地球上はどうなるのか?

オゾン層がない場所では途中で紫外線の吸収は起こりません。オゾン層が破壊され、オゾンホールができた場所では、太陽からの光が途中で吸収されず、全波長域が地上に直接照射されることになります。オゾンホールの弊害としては、紫外線がもたらす種々の影響を考えれば分かります。

分かりやすいケースでいうと、短波長域の紫外線による人体への影響は大きく、皮膚がんの発生率が高くなっていることが(動物実験から)確認されています。

オゾンホールは制御できる

オゾンホールは年々増加しています。近頃ではブラジル南端にまでオゾンホールが届くまでに拡大してきていると報じられています。オゾンホールの発生はまだ南極の極地に限られており、人間の定住地や植物の生い茂った陸地にまではオゾンホールが拡大していないため、紫外線の照射によるネガティブな直接的影響は現状ではまだあまり見られません。

しかし、オゾンホールがさらに拡大し、人間の生活圏に突然出現したらどのような状況になるのかを思い浮かべるとそれはもう本当に恐ろしいことです。オゾン層が有害な紫外線をろ過していることによって、地球上の生命が維持されているのです。

一方、オゾンホールを発生させたり、修復したり、人為的に制御ができるようになったときを想像してみましょう。エネルギー密度の高いこのオゾンホールを利用すれば、ある特定の広い領域に強力な紫外線ビームを照射することができるようになり、人工の無菌地帯を作ることによって、いろいろな応用が可能になるかもしれません。現在のオゾン生成技術や分解技術レベルの延長線上では、オゾンホールの制御の不可能ではないでしょう。

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