残留農薬検査は信用できるのか?

残留農薬検査は信用できるのか?

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「輸入野菜にしろ国内産にしろ、日本では残留農薬基準があるのだから、検査を通って普通に売っているものについては大丈夫なんじゃないの?」

「いやいや、政府の基準ほどあてにならないものはないよ」

あなたはどちらですか?

残留農薬検査の結果は毎年報告されています。たとえば、2007年に公表された国内産農作物の検出率は0.44%。これだけ聞くと、安心して食べても問題ないように感じますが、この数字を鵜呑みにして安全と考えてよいのかという点についてはよく考える必要があると言わざるを得ません。

ある方が、リンゴのサンプル10個について100の農薬を検査した場合を例に書いています。うち1個から農薬が検出されたら、10個のうちの1個なのだから「当然10%」かと思いきや、厚生労働省の計算では、分母は10×100、つまり検出率は1,000分の1→0.1%となるそうです。。これでは検査する農薬の数を増やせば増やすだけ検出率は低くなってしまいます。

ちなみに東京都健康安全研究センターが2002年4月〜翌年3月に東京都内で購入した農作物の残留農薬調査結果によれば、国産野菜の場合、きゅうり、トマト、じゃがいもなど54個の野菜のうち13個から残留農薬が検出されました。検出率は24%です。果実では52個のうち28個で検出されました。検出率54%です。厚生労働省のデータも1つの計算方法だといえないことはありませんが、基準値にかかわらず検出率を公表し、そのうえで基準値に照らす東京都の調査のほうが実態をより正確に伝えるという意味では正しいやり方だと感じます。

基準の怪しさ

残留基準の怪しさ
残留基準の怪しさ

問題はもう1つあります。それは、その残留基準が適正なものかどうかという点です。

稲・野菜・果樹栽培に広く使われている有機リン系の農薬マラチオンについて、小麦の残留農薬として認められているのは8ppm、小麦粉になっている場合で1.2ppm。米については0.1ppmです。

実は、小麦に対するマラチオンの基準値は1992年に0.5ppmから16倍の8ppmに引き上げられています。以前までの基準値は一体なんだったのか、、、という感じですよね。

この1992年は、食品の安全性における政策が大きく転換された年でした。農薬の残留基準も次々に変わり、それまで26種に対する規制から、34種に拡大されました。検査する農薬の種類が増えれば安全性が高まったかのような印象を受けますが、これはWHO発足を視野に入れた政策転換だったのです。

FAOとWHOは合同食品規格委員会(コーデックス委員会)をつくり、ここで貿易にかかわる食品等の「国際規格」を決めることになりました。コーデックス委員会では約170の参加国と団体代表・及びオブザーバーで議論がかわされますが、どちらにも企業関係者が多数含まれています。必然的に農作物を輸出しやすい規格・基準になりがちで、厳しい安全基準は「食品の安全に名を借りた非課税障壁」とみなされ、日本政府も「グローバル化」に対応したのでした。同じ頃、じゃがいものポストハーベスト農薬として使われるクロルプロファムの残留基準が、0.05ppmから1,000倍の50ppmに変更されています。厚生労働省が説明した理由は、「米国の基準を参考に」したというものでした。ちなみに他のいも類などで変更はなく、現在も基準は0.05ppmのままです。

残留基準であれ、さきの硝酸態窒素であれ、「基準」という名でさまざまな数字が出される背景には、国民の生活や健康以外に国内産業の保護や輸出国との駆け引き、政治圧力もありうることを私たちは知る必要があります。

基準があると人は「基準値内なら安心」と考えてしまいがちです。そしてその数字を使って説明されるとなんだか理屈に合っているような錯覚にとらわれてしまいます。けれども、数字というのはある意味でどのよにでも見せることができるのです。改ざんとまではいいませんが、検査方法や計算方法によっては、出したいデータだけを出すことで「ほしい結論」を導き出すこともできます。ましてや、「基準値」にはさまざまな思惑が絡んでいるのです。WHOをはじめとする公的機関がかかわっているからといって簡単に信頼することはできないのです。

少なくとも「残留農薬不検出」は、農薬が使われていないことでもなければ、安全を意味するものでもありません。とにかく農薬や化学肥料の奥は深いです。そもそも、なぜそこまで大量の農薬を必要とするのか….

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