やめられない化学肥料

やめられない化学肥料

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現在では、飼料の中に含まれる硝酸態窒素の量と、牛の血中メトヘモグロビン量が比例することが確認されています。「ポックリ病」は、牛の急死というかたちで問題が現れたため原因が飼料の牧草にあることは、発生後間もなく明らかになりました。けれども、それは栽培時の化学肥料をやめるなどの動きにはつながりませんでした。なんといっても、化学肥料を使ってもらわなければ困る人たちがたくさんいます。化学肥料は、当時すでに構造的に産業界に組み込まれてしまっていたのです。

ではどうしたかというと、農薬使用などと発想は同じで、「どこまでなら安全か」を考えるようになったのです。飼料はそのままでどのように与えたら死なないか、ということです。草は青いままでなく干して食べさせ、それも一度には食べさせず、数回、小分けにして食べさせることなどがすすめられました。しかし、もちろん、死なないからといって健康であるとはいえません。ほとんどの畜産農家が慢性硝酸態窒素中毒に悩まされながら乳牛等を飼育しているのが現状です。

慢性の硝酸態窒素中毒は、食欲不振、乳量の減少、不妊症や流産となって現れます。こうした症状は、現場の感覚としてはたしかにエサと関係していると思えても、科学的に因果関係を明らかにしにくく、全体的なデータがなかなかとれません。硝酸態窒素含有量と中毒の関係については、現在、次のようなガイドラインが提供されています。

  • 含有量0.0〜0.1%→どのような状態でも安全
  • 含有量0.1〜0.15%→非妊娠動物では安全。妊娠動物では飼料の50%までは安全。
  • 含有量0.15〜0.2%→乾物量で総飼料の50%までは安全。
  • 含有量0.2〜0.35%→飼料の35〜40%に制限する。妊娠動物には使わない。
  • 含有量0.35〜0.4%→飼料の25%以下に制限する。妊娠動物には使わない。
  • 含有量0.4%以上→中毒のあるおそれがあるので与えない。

0.1%は1,000ppmですから、ここに示した数字が私たちが日頃食べている、あるいは一般のスーパーなどで販売されている野菜の含有率とだいたい同レベルであることが分かります。ガイドラインでは0.1%までは安全とされていますが、1,000ppmの硝酸態窒素が残留した草が、「どのような状態でも安全」とはとてもではありませんが思えません。目に見える障害は出てこないというだけの話しなので勘違いされないようにしてください。

また、干し草にすれば、硝酸態窒素が一部抜ける場合もありますが、ほとんど減少しません。ほとんどの専門機関でいわれていることは、数百〜千数百ppmのレベルで、干し草に硝酸態窒素が含まれていることが明らかになっています。

伸びない有機野菜

伸びない有機野菜
伸びない有機野菜

夏、多くの土地で高温多湿になる日本の農業は、戦後、化学肥料・農薬とともに発展してきました。そして圧倒的多数の農家には、病気と虫による被害への恐怖感が植え付けられてきたのです。「仕事として農業をやっていくのであれば、化学肥料と農薬なしではできるはずがない」
それはもうある種の信仰、あるいは強迫観念のようにさえなっています。有機農法や有機肥料が注目され、自然に近いかたちで野菜をつくる試みが各地で起こってきているといっても、国内農作物のうち有機農産物の割合は、

2001年0.10%
2002年0.14%
2006年0.17%

と、なかなか伸びてきません。

化学肥料と農薬を使い続け、農地はすっかり荒れています。野菜や土壌はもう限界に近づいているとさえ思われます。しかし、当サイトはまだできることは必ずあると信じています。当サイトではそのような思いで情報を配信してまいります。

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