ベトナムを今も苦しめる枯葉剤の悪夢

ベトナムのジャングルの奥地に現地では死の土地と呼ばれる、ジャングルの中にも関わらず、植物が育たない土地があります。これは、ベトナム戦争真っ只中の1961年から1975年頃にアメリカ軍によって散布された、枯葉剤が原因です。もう、散布から50年以上経つにも関わらず、散布された土地では、植物が発芽しても直ぐ枯れてしまう不毛の大地のままです。

そして、大地を蝕む枯葉剤の影響は、今だに人間にも大きな影を落としています。

この記事では、今から50年以上前に散布された枯葉剤と、その影響、そして、枯葉剤がその後の戦争にどのような影響を及ぼしているのかについて書いていきます。

【ベトナム戦争と枯葉剤】
ベトナム戦争は、1960年から1975年にベトナムで起こった戦争です。アメリカ軍が援助する南ベトナムと、共産圏が援助する既存政権との戦争でした。結果はアメリカ軍が援助する南ベトナムが勝利し、この戦争を契機に、ベトナムは資本主義国家としての道を歩み始めます。アメリカ軍が援助する南ベトナム軍が最初から優先だったのか?というと、そうではありません。

開戦当初は、アメリカ軍ざ圧倒的な数と兵器を投入するので圧勝と言われていましたが、現実は全く違う物でした。ベトナム軍はまともにやっても勝ち目が無いと見ると、ジャングルでのゲリラ戦に移りました。その作戦は的中し、ジャングルではアメリカ軍の人数や兵器も思うように働かず、アメリカ軍は苦戦を強いられました。

その当時の様子は、後に「アメリカ兵はベトナムのジャングルに入ってから、死ぬまでに平均4分だ」と表現される程悲惨な物だったそうです。このままジャングルで戦っても勝ち目が無いと判断したアメリカ軍は「ジャングルをなければ勝てる、ならジャングルをなくせば良い」という結論に達しました。そこで、作られたのが「枯葉剤」です。

ジャングルをなくすために、枯葉剤は大量に撒かれました。

そして、ジャングルは枯れ、ベトナムの土地の多くはジャングルから平地になり、アメリカ軍は戦闘を有利に進めて行けるようになり、戦争に勝利することができました。目的を達した枯葉剤でしたが、話はここで終わりませんでした。

【枯葉剤の主成分】
枯葉剤はダイオキシンの一種です。
この枯葉剤は毒性が強く、植物を枯らすことはもちろんですが、大地に長期間蓄積され、生物のホルモンに影響を与える効果があります。


枯葉剤の人体への影響
枯葉剤の影響によって人体のDNAが損傷します。そのため、枯葉剤の影響を受けた方が子供を作ると、二分脊椎症などの奇形を持った子供が産まれる確率が高まります。二分脊椎症とは、腰までは普通の人なのですが、腰から上が二つに分かれます。つまり、頭が2つ、手が4つといった具合です。

また、普通の子供が産まれても、その子供が子供を産んだ時に、二分脊椎症などの奇形児が産まれる可能性があり、この連鎖を止める術は現代の医学ではありません。

【枯葉剤の大地への影響】
枯葉剤が多く散布された大地には枯葉剤が今でも残り、不毛の大地となっています。また、野生動物にも枯葉剤は影響を与えるので、不毛の大地に足を踏み入れた野生動物のDNAが損傷し、野生動物にも枯葉剤の影響が出ています。

・枯葉剤の影響に対する取り組み

枯葉剤の汚染地域は2006年からアメリカの援助の元に枯葉剤の除染作業が始まりました。しかし、枯葉剤に汚染された大地は膨大で、除染が完了するのは少なくとも20年以上は掛かると言われています。日本もこの除染作業に協力しており、日本の技術が除染に使われています。

汚染地域は除染の目処が経ちましたが、枯葉剤によって損傷したDNAを治すことはできないので、人体には枯葉剤の記憶が留まり続けることになります。奇形児や枯葉剤による被害を保証する法整備は進んでいますが、根本的なDNAの復元は医療技術の進歩が待たれます。

【枯葉剤のその後】
使用後長い年月に渡って大地や人間に影響を残す枯葉剤はやっかいな存在ですが、兵器としての価値は高いです。そのため、戦争では度々使われ大地と人を汚染しています。ベトナムの事例を知れば、枯葉剤を使用することは出来ないと思うのですが、手段を選んでいられないのが戦争なのかもしれません。

このような事例を見ると、戦争はあってはならないことなのだと思い知らされます。

1 Comment

  1. Pingback: 未だ結果が出ていない環境問題 | Greenwashgoldプロジェクト

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


*